第３ステージ

佐藤　宏　作曲 
 
   「 Requiem 」
       Per Gran Dottore Yutaka Fukumura

♪Requiem aeternam dona eis Domine

et lux perpetua luceat eis.♪

（　主よ、永遠の休息をかれらに与え、

たえざる光をかれらの上に照らしたまえ　）

佐藤宏の「レクイエム」について

　この曲は、副題に「Per Gran Dottore Yutaka Fukumura」（偉大なる福村 豊 博士

に捧げる）と書かれているように、福村医学博士の遺徳を偲んで作曲されたものです。

福村博士は、1993年8月13日63歳で逝去されるまで、医師として横浜市で左近山中央
 
診療所を開設し院長・理事長を務め、更に特別養護老人ホーム「太陽の国」を創設、

理事長を 務めるなど、永年にわたり地域医療や老人福祉に献身されていました。

他方、アマチュアながら本 格的なテナー歌手としても活動され、リサイタルの開催や

オペラに出演する他、左近山中央 診療所関係者を中心とする混声合唱団を結成して、

しばしば演奏会を企画・開催し、自らもそのステ ージに立ち「歌う赤ひげ先生」と

地域の人々から親しまれていました。

　1993年９月1日に、念願のイタリアでヴェルディのオペラ「オテロ」を上演する事となり、

準備万端整ってイタリアへ向けての出発を目前に控えて、突然帰らぬ人となられた

のでした。

しかし、関係者が故人の遺志を生かそうと奔走された結果、予定通りイタリアの

ラク イラ市立歌劇場で追悼公演が開催され、博士を偲んで会場を埋め尽くした

聴衆より万雷の拍手 を受けました。日本から福村博士が育てた混声合唱団

「コーロ・デリ・アミーチ・エ・ファミリエ （友人と家族の合唱団）」も参加しました。

同合唱団はこの公演の他、ローマのパンテオンでロッシ ーニの「荘厳ミサ」も

追悼上演しています。

　この「レクイエム」の初演は1998年8月に横浜の「太陽の国」で行われ、その年の

９月にイタリアのコモ湖の近くにあるサン・アッボンディォ教会で上演。またその

２年後には、 大作曲家ヴェルディが音楽家達の為に作ったミラノの老人ホーム

「ヴェルディ・ハウス」でも 上演されています。

 現在まで毎年追悼の為の上演が行われており、今回の調布市民合唱団による

上演は国 内での６回目のものとなります。

　調布市民合唱団は創立25周年記念の演奏会で、作曲者ご自身の指導と指揮の

下に、こ の美しい鎮魂曲を歌える事を大変光栄に思っています。

第１曲　入祭誦　　　　　主よ、永遠のやすらぎを彼等に与えたまえ

第２曲　憐れみたまえ　主よ、憐れみたまえ　キリストよ、憐れみたまえ

第３曲　昇階誦　　　　　主よ、永遠のやすらぎを彼等に与えたまえ

　　　　　　　　　　　　　　正しき人の思いでは永遠に生き続け

第４曲　涙の日　　　　　この日こそ涙の日なるかな　罪あるものは審かれんために

第５曲　聖なるかな　　 聖なるかな　聖なるかな　聖なるかな　万軍の主なる神

第６曲　慈悲深き主イエズス　　慈悲深き主イエズスよ　永遠のやすらぎを与えたまえ

第７曲　神の小羊　　　 神の小羊、そは世の罪を除きたまう　彼等にやすらぎを与えたまえ
　

佐藤 宏氏は、永年「コーロ・デリ・アミーチ・エ・ファミリエ」（ 旧左近山混声合 唱団 ）を

指導・指揮されて来られている関係から、ご遺族よりのご依頼でこの曲を作曲されました。

        三善　晃　「五つの童画」へ　　　　　    林　光編曲　「日本抒情歌曲集」へ

                                         創立25周年記念演奏会へ